『DIAMOND online』にて記事連載中!!

英会話ならぬ「エア会話」のすすめ

知識をスキルにするために

英語を習得する上で学ぶことは大切です。でも、学んだことは知識でしかありません。知識は実際に使ってみることでスキルになります。英語の場合も、勉強したことを実際に使ってみる経験を重ねることで、学びがコミュニケーションでの実践力になります。

「TOEICなど英語のテストでは高スコアを獲得したのに実際には英語が全く話せない」という相談を受けることがあります。テストで高得点をとる英語の知識はあるけれど、実際に使った経験が足りないため、知識をスキルにすることが出来ていないのです。せっかく勉強したのにもったいないことです。本当にもったいない・・繰り返し言いたくなるくらい、もったいないです。(笑)

英語を学んでいる方には「使う場を持つこと」を強くお勧めしています。(英語buddyのすすめもご参照ください。)英語が得意な友人にお願いして定期的に会話の相手になってもらうのも良いですし、オンラインで英会話のレッスンを受けたり、もちろん英会話学校に行くのも良いと思います。でも、時間や経済的なことや、様々な理由でどうしてもそういった機会を設けられないこともあります。

更には、「分かっちゃいるけどリアルな人間相手に英語を話すのはやっぱり怖い」という人もいます。気持ちはとても分かります。(私も韓国語を学んでみようと、いきなりオンラインレッスンに申し込んではみたものの、あまりの会話力のなさに、ひたすら先生とパソコン画面を通して見つめ合うだけの時間になってしまった辛い経験があります。)

そんな方に私がお勧めしているのが、「英会話」ならぬ「エア会話」です。


エア会話?????(・・・って何よ?💦)

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聞いたことないですよね。そりゃそうです、私の造語です(笑)。エアギターとかエアなんちゃらとかの”エアー”です。相手がいると妄想して架空の会話をするのです。側から見ているとかなりアブナイ感じです💦💦

でも、妄想でも良いから自分の口から英語を発するということを習慣的にやってみて欲しいのです。例えば、ゴルフのショットの打ち方を頭で理解していても実際にやってみたら勝手が違ったという経験はありませんか?
英語も同じです。覚えた知識は何度も使う経験を重ねて「使い方」も習得しないと、いざ本番!という時に上手く使うこと(喋ること)ができないのです。

エア会話のやり方は簡単です。相手が目の前にいると想定し、実際に会話をしているつもりで喋ってみてください。(ホントに側で見るとかなり奇妙なので、できれば周りに人がいないところでやりましょうね😄)。自分の発言に対して、相手がどんな返事をするのか、そして自分はそれにどう反応するのか、、、、イマジネーションを働かせて「会話」を続けてください。

とにかくアウトプットしよう!

分かったけど、「エア会話」はちょっと無理・・・という方には、英語で日記を書くというのもお勧めです。声に出さないので会話の練習にはなりませんが、「書く」ことで自分の考えを英語で表現する練習にはなります。

私は通訳の勉強を始めた頃、目に入るものを手当たり次第英語で言ってみるとか、自分の行動を英語で実況中継してみるということをやっていました。恥ずかしいので小声で、人が近くにいるときは声には出さず心の中で、見たものや状況を英語で表現して、英語でアウトプットする練習をしていました。駅=station, 切符=ticket, 電車=train, 窓=windowなどなど・・・全て簡単な知っている言葉です。でも、実際に瞬時に言えるかどうかを確認するのです。意外にシンプルな言葉が出てこなかったりします(苦笑)。瞬発力の訓練です。「会話でとっさに言葉が出てこない」と言う方には特にお勧めです。

やってるうちに、「そういえば電車の中の吊り広告はなんて言うんだろう???」など、「知らない言葉」に気づきます。自分が知っている単語を駆使して、「知らない言葉」を表現するとしたら???・・と考えることで自分の英語の知識でアウトプットする力が徐々に身についてきます。気になるから調べてみて「知っている単語」が一つ増えることもあるでしょう。自分の経験と共に言葉を覚えればテキストに並んでいる単語リストを丸暗記するより覚えていられる確率は高いです。

「英語を学びたい」と相談してくださる方に、どんな勉強をしているかをお聞きしてみると、英語コンテンツを聞いたり英文を読んだりと、理解するための訓練をしているケースが殆どです。それは悪いことではないのですが、「英語を学ぶ」というと、なぜか「アウトプット(話す・書く)」よりも「インプット(聞く・読む)」に偏ってしまいがちです。


2019年のTOEIC受験者数は約241万人。その殆どがLR(リスニングとリーディング)の受験者で、SW(スピーキングとライティング)の受験者は4万人弱であることを見ても、インプット(聞く・読む)に偏っていることが分かります。


「TOEICで高得点を獲得しても英語が話せない」「一生懸命勉強したけど英語は苦手」という方が多いのは、アウトプットにフォーカスした勉強やトレーニングが成されていないことも原因なのではないでしょうか。


コミュニケーションは相手の発する言葉を理解するインプットと、自分の考えを表現するアウトプットの両方で成り立っています。学んだことを駆使して英語でアウトプットする経験を重ねることで、学習効率も上がります。使うからこそ学んだことが自分のなかに定着するのです。

英語buddyでも、エア会話でも、英語で実況中継でも、何でも良いので(!!)、英語上達を目指す方は是非アウトプットも鍛えてみてください。