『DIAMOND online』にて記事連載中!!

英語の発音の話

私は今でも英語に関してはコンプレックスだらけです。でも、一つだけ自慢できるとしたら、、、文法も、単語も、読解力も、リスニングも、熟語も、表現も、その他何でも、英語については全ての要素で!誰よりも!!苦労してきたのだぁぁぁ〜!!!!ということです。ホントに胸を張って自慢したいほどです。その中でも、発音は本当に、本当に、苦労しました(いや、過去の話じゃなくて絶賛現在進行形です💦)。

英語の音のポートフォリオ

いま振り返って考えてみると、大人になってから英語を本格的に学び始めた私は、頭の中に「英語の音のポートフォリオ」が存在していませんでした。日本語オンリーで育ったため「言葉というのは母音+子音で成り立つ音で出来上がっているもの」という感覚が無意識に自分の中に根付いていたのだと思います。その母音+子音で成り立つ「日本語の音のポートフォリオ」で英語を喋るので、いわゆるカタカナ英語になってしまう。さらには、音の成り立ちが日本語とは大きく異なる「英語の音のポートフォリオ」が自分の中に存在していないため、英語を聞いても音を正確にキャッチするレセプターがない状態。つまり物理的に存在する英語の「音」が自分の脳に認識されていなかったのだと思います。そして、それに気づくのに情けないほど長い時間がかかりました。

人によっては(英語に限らず)、音声を聞けば馴染みのない音でもそのまま真似できたりするようです。ミュージシャンなどに多い気がするのですが、初めて聞く英単語を「意味はわからないんだけど〜(笑)」とか言いながら、耳で聞いたままに即座に発音できてしまう人がいます。そんな能力を持つ人々を私はずっと羨望と嫉妬の眼差しでみてきました。(ふー←ため息)

何をするにも不器用な私は、英語の発音をマスターしようと思い立ったとき、まずは頭で英語の音を理解しようと音声学の本を読み(正直ちんぷんかんぷんでした・・・苦笑)、発音専門のテキストを買い、英語の音声について一つひとつの「音」と「発音記号」と「口の形や舌の位置」を紐付けて覚えていきました。この「口の形や舌の位置」というのが曲者で、日本語だけを話して大人になってしまった私は英語特有の発音をするための「口の形や舌の位置」をつくる筋肉を使ったことがなかったんですよね。つまり、正しい英語の発音をつくるための筋力がないから正確な発音が出来ないとも言えます。できるようになるまで何度も英語の音声を聞きながら、発音記号を確認し、テキストで図解された口の形を真似して練習することを繰り返しました。英語学習というより、完全に筋トレでした(笑)。あの頃、やたらと顔や頭が痛かったのですが、あれは筋肉痛だったのだと思います💦

筋肉痛になるほど努力しても私の英語は相変わらず悪い意味で(!)「日本人らしい」ままです。日本語なまりが抜けず、間違ってもネイティブスピーカーの発音ではありません。ただ、英語の音の特訓をしてからは発音が悪いために「なに?」と聞き返されることは激減しました。そして嬉しいことに、発音の特訓をしたら英語のリスニング力も上がった気がします。英語の音を頭で理解し、自分の口で再現する努力をした結果、ようやく私の中に「英語の音のレセプター」が出来てきたのではないかと思っています。当たり前のことですが「聞く」と「話す」は密接に繋がった能力なのだと実感しました。そして、一度じっくりと「英語の音」に向き合ってみたことで、英語の「聞く」と「話す」が随分と楽になったと感じます。

こんな風に、英語ネイティブスピーカーは恐らく意識したこともないようなことを私たち非ネイティブスピーカーは勉強し訓練することが必要だということですね。大変ですよね(涙)。

自分に必要な英語は何か

ちなみに、私が英語の発音について真剣に悩み始めたのは通訳になってからでした。それまでは、堂々たる(!)カタカナ発音のジャパニーズイングリッシュでも何とか意思疎通はできていたので、「発音が悪くて嫌だなあ」とは思いつつ、いつも「ま、通じるからいいや」と開き直っていたのです(汗)

しかし、なんの因果か、通訳という仮にも「英語のプロ」と呼ばれる仕事に就いてしまってからは、ネイティブスピーカーのように喋るのは最初から諦めているにせよ、せめて聞きやすい英語でないとマズイ。非常にマズイ・・・。私の通訳を聞いている方が耳障りと感じるような発音では通訳として失格であろうと(いや、有り体に言えば、それでは職を失うという危機感から)、英語の発音修行を決行しました。なので、私はたまたま通訳という仕事を選んだが故に、「仕事として通用する英語の発音を身につけることが必要になった」ということです。英語を学ぶ全ての人に顔や頭が筋肉痛になる程のトレーニングをすべし!・・・とお勧めしているわけではありません。

時々、「英語を習得するのにはどれくらいの期間が必要ですか?」という質問を受けますが、正直答えようがありません。というのも、その人の今の英語のレベルや、なにを目指しているかによって必要な期間は全く違うからです。

「どうしたら英語が上手くなりますか?」「どれくらいの期間が必要ですか?」「まずは文法からやるのが近道ですか?」・・・仕事柄、英語にまつわる質問をたくさん受けます。でも、「自分はなんのために英語を学びたいのか」「なぜ英語が必要なのか」の説明がないままに、こういう質問をされると戸惑ってしまうのも正直なところです。「方法」はもちろん大切ですが、「目的」がないままアドバイスを求めるのは、ちょっともったいないなぁと感じてしまうんですよね。

あ、誤解なきよう一応お断りしておきますが、質問は大歓迎です!お気軽に何でも聞いてください!(笑)ただし、うっかり私に英語の質問すると延々と語り続ける場合がありますのでご注意ください。そして延々と語った後に「やっぱり私には分かんない」とか平気で言います。併せてあらかじめご了承ください💦 

英語の音や勉強のコツなどについては、著書の付録にも書きました。
ご興味ある方は参考にしてみてください。

不登校の女子高生が日本トップクラスの同時通訳者になれた理由
文庫 880円(2023年9月23日時点)
田中慶子 (著)

最近は英語の発音に特化したテキストやアプリなども良いものがたくさん出ているようですので、そういうツールを使って練習するのも良いですね。(オススメを見つけたら私にも教えてください・・・笑)

2件のコメント

発音でトラウマになっている単語があります。『gallery』
アメリカ人と会話をしていた時に何度言い直しても、自分ではLとRを使い分けて言っているつもりなのにどうしてもわかってもらえなかった単語です。違う言い方に変えようと思っても出てきたのは『art gallery』最悪😱もっと難しい😭
どういう練習すればいいでしょう?

みさとさん、
ご質問ありがとうございます。
Gallery 難しいですよね💦
すごく長くなりそうなので、これで一本ブログを書いてみたいです!しばしお待ちください🙏🏻

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