『DIAMOND online』にて記事連載中!!

認識のズレを擦り合わせる表現

”On the same page”は互いの認識を確認する表現

「認識が同じである」という意味で使われる“on the same page”という英語の表現。直訳すると「同じページにいる」という意味で、イメージとしては、同じ本を読んでいる者同士が、「いま◯◯ページの話だよね?」と確認する感じでしょうか。

“On the same page”という表現で、「ページ」というのはメタファー(隠喩)として使われているわけですが、実際にページの確認ができなくて本当に混乱する場面を私は通訳の仕事をしながら何度も見てきました。

例えば、印刷した資料を配布して行うプレゼンテーション。コロナ禍では物理的に集まって会議することもめっきり減りましたが、コロナ前のことを思い出すとリアルでの会議の場で紙の資料を配布して説明する際に、ページ番号が入っていないことで大変な状況になる場面を私は何度も目撃しました(実録!通訳は見た!!←テレビドラマのタイトル風・・・笑)。

説明を聞く側が自分が見ている資料と聞いている話が噛み合わず、「いまどこの話?」と確認しようにもページ番号が入っていないので話が余計に混乱し、聞いている人がイライラし始める、とか・・・。ちーん💦ですよ。(これは通訳していると本当にヒヤヒヤする〜)。会議の進行やその場のムードというのは、ページ番号などという些細なことで案外大きな影響を受けるものだな、と思ったりします。ページ番号は忘れずに入れましょうね(私もよく忘れるので自戒の念を込めて書いてます。)

pageという言葉で話が逸れてしまいましたが、“On the same page”という表現は、もちろん物理的なページの話ではない場合にも使われる表現です。”I want to make sure we are on the same page”(認識が同じであることを確認したい)など、互いの理解をすり合わせるためや、”I made sure we are on the same page”(認識が同じであることは確認済みです)などの言い方をしたりします。


「自分の認識」と「現実」のズレの確認は”realty check”

同じ「認識がズレていないかの確認」という表現でも、(互いの認識のズレではなく)自分自信の認識と現実がズレていないかを確認する場合、つまりは「思い込みで判断していないか」という場合は、”realty check”という言い方をします。

例えば、その道何十年というようなプロフェッショナルな人が、自分はその分野のことは隅から隅まで知り尽くしていると思っていても、実は時の流れとともに状況が変わり、その人の知識は現実とはかけ離れてしまっているような場合。”You need to do a realty check”(思い込みで判断していませんか)というような表現をします。(しかし、これは言われたらショックだろうなぁ〜 涙)。

思い込みというのは、仕事だけでなく長年の付き合いで良く知っていると思っている相手に対しても起こったりするもの。例えば長年一緒にいるカップルがお互いのことは何でも知り尽くしていると思っていても、時には”Let’s do a realty check”(実際のところはどうなのか確認しよう)と言語化して確認し合う時にも使われる表現です。

認識のズレはコマメに予防しよう・・・

気づかないうちに互いの認識がズレていたり、「知ってるはず」「分かってるはず」のことが、実際には時の流れや状況の変化で単なる思い込みになっていたりすることありますよね。「気がついたら大変なことになっていた!」なんてことにならないよう、早めに予防することが大切なのかもしれません。。。

理解し合えていると思っていても、時には”on the same page”であることを確認したり、自分の認識が現実とズレいないか”realty check”してみるということは必要ですね。こうしてブログを書きながら、身が引き締まる思いです(汗)。

それでは、ごきげんよう♪