「当然でしょ」という毅然とした態度
「Why not」は、「なんで、ダメなの?」とか、状況によっては「当然でしょ!」という意味で使われます。
「Why not」でいつも思い出すのが、フランス人女性の友人との会話です。彼女は某グローバル企業で働くバリバリのキャリアウーマンで、キャリアアップのチャンスを掴むため日本に転勤してきました。そして彼女の旦那さまは、そんな彼女の判断を受け入れ、仕事を辞めて一緒に来日しました。
そんな訳で日本に住むことになったフランス人の友人夫婦とランチをしていたときのことです。旦那様は、パリに本社を置く超有名企業でかなり良いポジションに就いていたものの、奥様の海外転勤が決まり一緒に日本に来るためにその仕事を辞めた経緯について話していました。
「そこまで奥様のことを理解してサポートするってなかなかできないよね」と私が言うと、その旦那様はニコニコしながら「彼女がやりたいことを応援するのは当然だし、仕事を辞めて一緒に日本に来るのも自分が望んだから、そうしただけ」と嬉しそうにしている様子に少し羨ましい気持ちさえ覚えたものでした。
そんな旦那様を見ながら「I am proud of my husband(夫のことを誇りに思う)」と自分の夫を褒めつつ、「私はキャリアも家庭も大事。その両方で成功して幸せになることを求めることは当然のことでしょ」と話しながら、友人が言った言葉が「Why not」でした。
なんと理解のある素敵な旦那さまだろうと思いながら話を聞いていた私は、彼女が発した「Why not」という言葉を聞いて、「自分が求める姿を目指すことは当然のこと」と彼女自身が毅然としているからこそ、旦那様も含め周りもそれを「当然」と受け止めて行動するのかな、と感じました。
Why notの使われ方
こんな風に、「 Why not」という表現は、「あるべき姿」や「目標」があって、「それを目指すことは当然」「止める理由はない」というようなニュアンスで使われます。
「Why not」は、会話の中でも頻繁に使われる表現でもあります。例えば、「コロナで旅行にも行けないから美味しいものをお取り寄せして家で食べようか?」と家族に言われたときに「Why not! (良いねぇ!)」と賛同したり、「仕事を頑張ったから自分へのご褒美に欲しかった◯◯を買っちゃおうかな」と友人に言われたら「Why not! (買っちゃえ!)」と背中を押してあげたりするときなどに使います。
そして、「Why not」といえば、なんと言ってもロバート・ケネディの言葉が有名です。
Some men see things as they are and say, Why.
I dream things that never were and say Why not.
(人は物事を見て「why」と言うけれど、
私はこれまで起こり得なかったことを夢見て「Why not」と言う)
劇作家であり思想家のジョージ・バーナード・ショーの言葉を、ロバート・ケネディが引用したものだそうです。
ロバート・ケネディはこの言葉を通して、厳しい現実はあるけれど「Why(なぜだ!どうして、こんなことになるんだ!)」と嘆くよりも、未だ成し得ていない「夢」を描いて、「Why not?(何故そうならないと言えるのだ?)」というメッセージを伝えたかったのだと思います。
思い通りにならない状況にぶつかった時には「why」 と嘆くだけでなく、ありたい姿や目指したい目標を思い描いて「why not」と言う精神を持ちたいものです。
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