英語リスニング強化トレーニング(更に鍛える編)

リスニング強化トレーニング(更に鍛える編)

前回は、「聞き取れない音ハンター」(!!)と化して、「自分が聞き取れない音」を見つけトレーニングするためのリスニング強化トレーニング「ちょっと頑張る編」をご紹介しました。今回は「聞き取れない音ハンター」の道を極めるための「更に鍛える編」です。

リスニング強化トレーニング(更に鍛える編)
・「聞き取れない音ハンター」と化して、自分が聞き取れていない音を見つける。
・「聞き取れていない音」が含まれる単語の発音記号を確認する。
・発音記号で確認した音を意識しながら、スピードを落として聞く。

聞き取れない音ハンター」の道を極めるためにお勧めしたいのは、「聞き取れない音」を見つけたら、辞書で発音記号を確認し、音の成り立ちを頭で理解した上でスピードを落として聞くというトレーニングです。発音記号は、殆どの英和辞典に記載されているので、普段使っている辞書で十分だと思います。教材は、再生スピードを変えられるものであれば何でもオッケーです。自分が使いやすいもの、そして興味を持てる内容のものを選んでください。

「英語のスピードについていけない」という方にも、スピードを落とした「ゆっくり再生」でのトレーニングを試してみることをお勧めしています。「スピードについていけないのにゆっくり再生?」と思われるかもしれません。速さに慣れることはもちろん必要ですが、スピードについていけないということは「一つ一つの音が正確に聞こえていない」場合もあります。今回は、リスニングトレーニングの中でも「自分が聞き取れない音を見つけ訓練する」ことにフォーカスしているので、「英語のスピードについていけない」という方も、まずは発音記号を確認し「音」を頭で理解した上で、スピードを落として「聞き取れない音」を分析しながら聞いてみるトレーニングをやってみて下さい。はい、急がば回れです。(あれ?なんか日本語の使い方が違う?・・・笑)。

まずは続ける編」「ちょっと頑張る編」と同様、今回ご紹介する「更に鍛える編」も、「ながら聞き」ではなく、真剣に集中してやってください。ここでもフォーカスして欲しいのは、「音が聞けているかどうか」です。リスニングの訓練なので、あくまで意識すべきは「聞きとれているか」です。意味が分かった」ではなく「音が聞きとれているか」に全力の注意を向けてください。繰り返しになりますが、「音は聞きとれたけど意味が分からない」という部分は、この際スルーしてもオッケーです。でも、「音は聞き取れなかったけど前後の文脈から意味は分かった」という場合はスルーしてはいけません。「聞き取れない音」を突き止めたら、その単語の発音記号を調べて、「どんな音なのか」を頭で理解した上で「ゆっくり再生」しながら集中して聞いてみて欲しいのです。発音記号と照らし合わせて音を分析するくらいの気持ちで聞いてください。これを「音が完璧に聞き取れた」と納得できるまで繰り返してください。「聞き取れていない音」を突き止めるために、ちょっと頑張る編でご紹介した、英語字幕で確認しながら映像コンテンツを見る方法を併用するのも良いですね。やっているうちに段々と聞き取れるようになります。そうしたら少しずつスピードを上げていきましょう。

「音」を頭で理解した上で、耳で聞き取る

ここまで読んでお気づきでしょうが、これ結構面倒です(苦笑)。しかも時間がかかるのでドラマを一本観るにも、とんでもない日数を費やすことになるでしょう(早く先の展開を知りたいドラマはストレスになるので、教材としては避けた方がいいかもしれません・・・)。

なぜ、こんな面倒なことをお勧めするのかというと、発音記号を調べ「音の成り立ち」を頭で理解することで「聞けない音を聞く」ハードルが下がるからです。発音記号は慣れないうちは難解に感じるかもしれません。でも、一度覚えればそれほど難しくはないので、興味がある方は「英語の音」に特化した教材(いろんな本が出てます)で発音記号と音の成り立ちを一通り理解しておくことをお勧めします。音声機能付きの電子辞書で発音記号を確認しながら音を聞いてみるのも良いです。

日本語と英語の音の成り立ちは全然違います。子音+母音(あるいは母音のみ)で成り立っている日本語の発音と異なり、英語は子音だけで独立した音や、二十母音などが存在します。しかし、日本語で育った我々は、基本的に頭の中の「音のポートフォリオ」が子音+母音(あるいは母音のみ)で出来ています。いってみれば子音だけの音や二重母音の発音を認識するための「レセプタ(受容機能)」が存在していないのです。(注:あくまで私の経験に基づいた感覚的な話です。)

英語の発音を聞くのは、もちろん「耳」です。でも物理的に音が聞こえても認識できない音は「聞き取れない」のです。そのため、レセプタが存在しない状態で一生懸命に英語を聞こうと頑張っても、「聞き取れない」「リスニング力が上がらない」という事態に陥ってしまいます。これを解決するには自分が聞き逃している音を突き止め、その音を認識できるよう訓練することが必要なのです。その訓練方法の一つが、発音記号を確認し「音の成り立ち」を頭で理解した上で、スピードを落として音を確実に聞きとることです。自分が「聞き取れない音」を意識して、注意深く繰り返し聞くことで、「存在しなかった音のレセプタ(受容機能)」が出来てきます。

子供は語学を習得するのが早いと言われますが、大人になってから新しい言語を学ぶのは確かにいろいろなハンデがあります。その一つが「音のレセプタ」が存在していないということだと私は思います。大人になってから母国語でない言語の「音」を正確に聞けるようになるためには努力が必要です。私自身の経験では、発音記号などで「音」の構造を理解することで、これまで聞き取れなかった音を意識するようになり、聞き取れなかった音が段々と聞こえるようになってくると感じています。

実は私も、英語の音声(リスニングや発音)には本当に苦しみました。(過去形でなく、今も苦しんでいます・・・汗)。速度を落として再生しながら英語を聞くというのは、私自身が通訳学校で繰り返しやらされた・・・いえ、ありがたくやらせて頂いた(笑)トレーニングの一つです。正直なところ、楽しんでできるような作業ではなかったのですが、このトレーニングのお陰で、否定系のnotが省略された’tや、複数形を表すstheaの聞き分けなど、訳す上でも非常に重要な「音」の聴き逃しや聞き間違いが驚くほど減りました。そして、自分が聞き逃しやすい音を知ることで、英語を聞くときに注意すべきポイントが分かり、リスニング力が上がった気がします。
(英語の音のポートフォリオについては私の著書の付録でも少し説明しています。よかったら参考にして下さい。)

「更に鍛える編」のまとめ

・「聞き取れない音」を見つけたら、発音記号を確認し音の成り立ちを理解する。
・音を頭で理解した上で、耳が聞き取れるまでスピードを落として聞く。
・音が確実に認識できるようになるまで繰り返し、少しずつスピードを上げて聞く。

リスニング力強化のために

リスニング力強化トレーニングとして「まずは続ける編」「ちょっと頑張る編」「更に鍛える編」を3回に分けてご紹介しました。敢えて「初級」「中級」「上級」などのレベルで分けていないのは、仮に「リスニングレベル」が同じであったとしても、その日のコンディションや内容によって使い分けて欲しいからです。

例えば、「今日は疲れているから負荷の軽いまずは続ける編のトレーニングをやろう」とか、「まずは続ける編」で一度やってみたコンテンツを、次は「ちょっと頑張る編」のやり方でもう一度やってみるとか(同じコンテンツを繰り返し使ってトレーニングするのもお勧めです!)、休日は「更に鍛える編」にチャレンジしてみるとか、自分のコンディションやニーズに合わせていろいろ試しながら続けて頂けたら嬉しいです。語学はある程度は継続しないと効果が出ません。続けるためにも英語トレーニングはチャレンジレベルが違うメニューを用意して、工夫しながら継続してくださいね。

「英語の音」は本当に悩ましい課題です。英語コーチングでも効率の良いトレーニング方法を相談されることが多いのですが、「効率」を追求するのであれば自分の弱点を認識して克服するというのが、自分自身のニーズに合ったトレーニングができる一番の方法だと思います。地道な努力が必要かもしれませんが、「聞き取れない音ハンター」と化して、自分が「聞き取れない音」を突き止め、意識的に鍛えてください。英語の「音」に集中して意識しながら聞くことを続けているうちに「聞き取れる音」が一つずつ増えていくのが実感できると思います。

2 件のコメント

  • 「音は聞き取れなかったけど前後の文脈から意味は分かった」という場合はわかったからいいと思ってました。何となくわかる単語は確実に自分のものにしていくって事ですね。
    ドラマや映画で聞き取りをしててもスペルがわからないので教材として例えばどんなものを使えばいいでしょう?

    • コメントありがとうございます!
      「何となくわかる状態」から「確実に理解できる」ところにレベルアップする時には一頑張りが必要なんですよね。
      聞き取りをしてもスペルがわからない時には英語の字幕が出るコンテンツが便利ですよ。私もNetflixなどを英語で聞きながら英語の字幕を確認しています。(確実に分かるまで、何度も同じ箇所の再生を繰り返したりしています・・・汗)

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